2022年8月24日水曜日

ヴェネオン渓谷の最奥の村ラ・ベラルド(1740m)へ

村を威圧するかのように聳え立つテート・ド・ラメ


8/16
(水)☂
6:30起床、昨夜の雨は上がり、ときおり青空も顔を出している。朝食を取った後、チェックアウトし8:10のバスに乗る。ブール・ゾアソンでマイクロバスに乗り換える。同乗者は女性1名のみ、途中の村で女性は下車、乗っているのは僕1人となった。両側は大岩壁、凄い迫力の岩山が迫る。右側は深く切れ落ちた断崖、しかもガードレールがなくスリルに富む。セイント・クリストファー村近くで落石があり、レッカー車が岩を片付けている。すれ違いできない程狭い村内を抜け、さらに深い谷間を進んでいく。明るく開けた場所になったと思ったら、ラ・ベラルド村に到着。今回で3回目の訪問、外は小雨模様で、肌寒い(気温17℃)。

村の広場の一角に建つHotel Tairraz(左)

ホテルは、ここと入り口にあるホテル(民宿)の2軒のみ

「アルプスの谷アルプスの村」で登場する氷河ホテル(現在は営業してない)は右側の建物



ホテルに入ると女性が迎えてくれ、直ぐに部屋に案内してくれた。8畳程の狭い部屋に、シングルベッドと小さなクローゼット、椅子と机、トイレ・シャワーは外である。窓からの眺めは良く、村のメイン通りが見渡せ、正面には岩山が見える。1998年にも泊まったホテルだが、変わっていない。洗濯をしながら天気の回復を待っていると、11時過ぎ青空が広がってきた。

青矢印のコースを歩く

ラ・ベラルド(11:30)→見晴らし(12:55 13:50)→ラ・ベラルド(14:35 14:50)→ピエール谷分岐(15:25)→ラ・ベラルド(16:30)




ラ・ベラルド村全景~グランド・エギュイエ登山道から


どこ行こうか迷った挙げ句、正面に聳えるグランド・エギュイエ
(Grande Aiguille)の方へ行ってみる事に。橋を渡った先に登山道がある。始めはゆるやかトラバース道だが、途中からきつい登りになる。息せき切って登る事1時間、エタンソン谷方面の山々がみえてきた。山では雪になり、新雪で白く輝いている。頂上の雲が中々切れないのが残念である。眼下には蛇行するヴェネオン川と村が一望できる。良くこんな山奥に人家ができたもんだと感心する。夏は大勢のトレッカーで賑わうが、雪で閉ざされた冬場は人も絶える。スキー場もないし、どうやって生活していくのか不思議である。さらに30分程登った所でランチとする。最終地点までは未だ1時間30分もある、村を囲む山々の眺望も楽しめたので、ここで引き返す事にする。村まで下った後、エタンソン谷の方へ足を伸ばす。教会横の道を登って行く。左手の谷川が雪解けで水量が増し、「ゴォー」という恐ろしい音が響き渡る。40分程でピエール谷との分岐に出る、谷奥には凄く格好良い山が見える、パール・エクランかと思うのだが、定かでない。橋を渡り、蜂の巣のようなテート・ド・ラメの壁を横切り、村に戻る。
佐貫亦男のアルプ日記では、ラ・ベラルド村を「どこもかしこも荒々しい岩と、白い峰が跳ねあがって流れる谷川ばかりだ」「荒涼とした風景がこの谷の特徴である」と表している。確かにその通りだが、その男性的な荒々しさに魅力を感じる。ホテルは2軒、食料品も扱う雑貨屋、軒のレストラン、シャーレー、キャンプ場があるのみだが、深い山懐で静かな時を過ごすにはうってつけの地である。

村で1軒しかない雑貨屋 食料はここで調達




19:30からディナー、前菜は豆のスープ。見た目ではどうかなと思ったが、とても旨く何杯もおかわりした。メインは鴨のインゲン、ジャガイモ添え。これも旨いが量が多過ぎる。レタス・サラダも付き、野菜不足にはありがたい。デザートはクリームチーズだったが、箸が進んでないのを見かねたのか代わりにアイスを持って来てくれた。心使いに感謝である。エーデルワイスより品数多く、味もこちらの方が上かも。少々食べ過ぎだが、どれも旨く大満足のディナーであった。食後の散歩をしようと外に出るが、雨が降っている。日記をつき、22:30就寝。谷川の音しか聴こえない、ぐっすり休めそうだ。
旅のメモ帳

Hotel Tairraz ▲▲▲▲   101.2(2泊 ¥14.978)  Halfboard

広場を見下ろす絶好な部屋、窓から見える岩山も素晴らしい

シンプルな部屋だが、夜は静かで夜空に輝く星も見る事ができる

2食付きで7,500円と、とてもリーズナブル

朝食、夕食も山の中とは思えない程の豪華でかつ旨い



 
 

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